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住宅の建築プロジェクトには、多額の費用がかかります。
建物自体の建設工事費、設計監理料に加え、付帯する様々な「諸経費」は発生します。
「諸費用」には、住まいの建築の際に必要な税金や各種の手数料が含まれます。
また地鎮祭及び上棟式のお布施や謝礼、引越し費用や新しい家財の購入代、近所の挨拶回りなども加えていくと、
「諸費用」は、建設費用の10%程度が必要と言われます。

特に、住まいを新築する場合には、しっかりと税金やローン手数料、その他の費用などの諸経費を見込んだ資金計画を作成し、
コスト管理を行うことが大切です。
工事途中で追加要望をされる方も多く見られます。予定工事費よりも資金が必要となる場合もあるので、
しっかりと資金計画をしておくと予算配分を検討する上でも大変役に立ちます。
(リフォームやリノベーションの場合でもしっかりと資金計画をしておくことが重要です。)

以下に、設計事務所を利用して住まいを新築する場合に必要となる主な費用に関して概略説明を記しておきますので参考にしてください。
別ページに、参考事例のコストシュミレーションを掲載しているので、そちらも合せて参考にしてください。

※本サイトに掲載の内容は、平成26年4月現在の法令に基づき作成しています。

  

〈工事と設計に関する費用〉

工事請負契約

住まいの工事に関する契約で、施主と施工会社の間で結ばれます。
内訳には、各種工事費、施工会社の経費、住宅瑕疵担保責任保険料などが含まれ、通常、地盤改良費や外構工事など付帯工事も一緒に含んで契約します。別途消費税、印紙代が必要となります。
使用する契約書及び約款には、国内の業界団体でつくる民間(旧四会)連合協定 工事請負契約約款委員会が定める「民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款」を用いる場合が多いです。会社によって特約が設けられることもあります。
国内の民間建築工事契約において、最も歴史も古く、広く使用されており、法改正に伴い随時内容の改正が行われています。
詳細については、民間(旧四会)連合協定 工事請負契約約款委員会Webページをご覧ください。

設計監理業務委託契約

設計と監理に関する契約で施主と私ども設計事務所とで契約を結びます。
当方の料率は、工事費の10~12%で通常4回程度に分割して支払われます。
使用する契約書及び約款には、工事請負契約と同様に国内の建築設計関連団体でつくる民間(旧四会)連合協定 建築設計・監理等業務委託契約約款調査研究会運営委員会が定める「四会連合協定 建築設計・監理等業務委託契約書類」を用います。
この場合も別途消費税、印紙代が必要となります。
印紙税については、別途記載します。

  

〈調査・審査に関する費用〉

土地測量費

土地の境界位置など測量に際して必要となる費用です。
通常土地を購入される場合には、既に測量済みで境界確定がなされていると思います。
ただ境界が確定されていても、敷地内外にかなりの高低差があったり、立ち木や電柱など建築行為に障害となるものがある場合に、設計に先だって正確な位置確認のために「現況測量」という測量が必要となることがあります。簡易測量の費用は、一般的な30~40坪程度の土地であれば5万円程度です。

地盤調査費

計画敷地の地盤状況を調査する場合に必要となり、計画する建物構造(特に重量に関係)によって必要となる地耐力(簡単にいえば、地盤の強固さ)が異なり、計画に適切な調査方法を選択することになります。
調査内容、方法によってかなり金額差がありますので、計画に即した必要な調査を見極めることが大切です。
小規模建築物を対象とした地盤強度を調べる方法として最も一般的な方法である「スウェーデン式サウンディング(SS)調査」で通常5万円程度かかります。

審査費

主として、計画建物の事前チェックである建築確認申請や中間検査、完了検査の実費手数料です。
40坪未満の木造2階建ての一般的な専用住宅で自治体に審査を依頼すると、約5万円程度の費用がかかります。近年では、費用は自治体より高額(自治体の約2~3倍)ですが審査期間が短いため、民間審査機関を利用する場合が多くなっています。
建物の所在地や規模(床面積)、用途などにより審査費用が変わります。
その他に、性能評価や長期優良住宅、低炭素建築物などの認定、審査などが必要な場合は、別途審査費用が発生します。

  

〈登記に関する費用〉

土地建物の売却、購入や住宅の新築など不動産を売買した際には登記を行います。通常、登記手続きは土地家屋調査士や司法書士などの専門家に代行してもらうことが多く、登録免許税や法務局に支払う手数料、印紙代などの実費の他に、代行手数料(報酬)ががかかります。代行手数料の部分には、別途消費税が必要です。表題登記のみ、土地家屋調査士の専任業務として位置付けられています。
この代行手数料は、昔は報酬規定というものがあったようですが現在は各代行者が自由に定めることになっています。でも地域により一定の相場はあるようです。
関連団体で代行手数料(報酬額)に関しての実態調査などを実施していますので参考にしてください。

日本土地家屋調査士会連合会Webページ
日本司法書士会連合会Webページ

登記は、手間と時間はかかりますが個人(施主)が行うことも可能ですので、この場合には代行手数料を節約することが出来ます。
とはいっても抵当権設定登記などは、融資する金融機関が紹介・提携する司法書士事務所が担当する場合がほとんどで変更することが出来ないことが多いですね。

「登録免許税」

不動産の所有権の登記にかかる税金が登録免許税です。税金ですので当然、どこに手続きを代行依頼してもこの登録免許税の額が異なることはありません。
(建物表題登記、建物滅失登記、地目変更登記などの登記は、登録免許税は不要/無税です。)

登録免許税の計算は、税額 = 課税標準 × 税率で行います。

ただし、土地の売買による所有権の移転登記や一定の要件を満たす住宅用建物については、「軽減税率」が適用されます。
軽減税率の詳細は、国税庁タックスアンサー「登録免許税の税額表」を参照ください。

例えば、「土地(更地)を購入し、住宅ローンを用いて戸建て住宅(一般)を新築した場合」には、下記の登記が必要となります。

所有権移転登記(土地)
表題登記(建物)
保存登記(建物)
抵当権設定登記
登録免許税と軽減税率は下表になります。
  [table id=3 /]

そして…一定の適用条件※を満たしている戸建て住宅(一般)の登録免許税は、
建物の固定資産税評価額を1,000万円、建物の住宅ローン融資額を2,000万円とした場合
所有権保存登記 1,000万円×0.15%=15,000円
抵当権設定登記 2,000万円×0.10%=20,000円
となります。 これに代行手数料が加算されます。
※<適用要件>住宅の取得後1年以内に登記すること。取得した住宅の床面積が50m2以上であること。適用期限:平成27年3月31日まで。

もし購入した土地に解体建物がある場合には、滅失登記も必要となります。
登記と言っても様々な種類があり結構費用がかかるのでしっかりと把握しておく必要があります。

  

〈その他の諸費用〉

印紙税

建設工事の工事請負契約書、設計監理業務委託契約書などには、契約書に記載された金額によって印紙税法で定められた印紙税が課税されます。
「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」については軽減措置が設けられており、消費税率引上げの影響を緩和するため、平成26年4月1日以後はこの軽減措置がさらに拡大されました。
また住宅ローン等の金銭消費貸借契約書にも印紙税がかかります。
印紙税の軽減措置は、国税庁タックスアンサー「不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」を参照ください。

印紙が無くても契約書の内容は有効となりますが、税法上は罰則が適用され、最大で納付すべき印紙税の3倍の額の過怠税を徴収されますのでご注意ください。
たまに「契約書文面に受託者が正本を委託者がその写し」となっていれば、法的な罰則はかからないという考え方もあるようですが、国税庁HP見解では、「写し、副本、謄本などと表示された文書であっても、契約当事者の双方又は文書の所持者以外の一方の署名又は押印があるものは、契約の成立を証明する目的で作成されたことが文書上明らかですから、印紙税の課税対象になる。」とあります。
まぁつまるところ戸建て住宅の工事請負契約書には、印紙が必要ということでしょう。

水道加入金

「水道加入金」または「水道負担金」、「水道分担金」などとも呼ばれ、新しく水道を引きこむ場合に、現在水道を使用しているお客様との負担の公平を図るためという理由で自治体(または水道事業者)により徴収されるものでが、自治体によってその徴収状況は異なります。
例えば、東京都23区内では加入金制度が無く請求されません。
事前に計画地の自治体などに確認し、加入金の有無とその金額を確認しておく必要があります。
大抵は、設置する水道メーター口径によって金額が定まっています。
戸建て住宅では、昔は13mmが多く見られますが最近は20mmもしくは25mmを引き込む場合が多くなっています。
特に3階建て住宅では、水道メーター口径20mm以上(25mmの場合もあり)を自治体で義務付けているところが多く見られます。

火災保険料

工事期間中は施工会社が保険をかけているため万が一火災が発生しても建て主に大きな損害はありませんが、引渡し日当日から建て主の所有となるので注意が必要です。新築された場合には、まず最初に火災保険に加入される方がほとんどです。
大震災の影響もあり、近年では地震保険などの損害保険に併せて加入される方が多くなっています。地震による火災や地盤沈下、液状化等は、通常の火災保険では対応してくれません。

ローン保証料

住宅ローンを利用する場合、借入をする人が個人で、金額が大きく返済期間がとても長いため、ほとんどの金融機関で連帯保証人の代わりに信用保証会社の保証(信用保証)をつけることを条件としています。
ほとんどの場合金融機関が指定する信用保証会社を利用しなければならず、借りる側が選択することはできません。
保証料は、借入金額や返済期間などによって異なりますがローン諸経費の大半を占める大きな金額となります。是非、資金計画を作成する際に漏れの無いように注意してください。

地鎮祭・上棟式費用

地鎮祭や上棟式での神主さんへの謝礼やお供え物、職人さんへの心付けなどの費用です。神社の選択なども施工会社に一任してお願いする場合も多くありますし、建て主さんが日頃お付き合いのある神社にお願いする場合もあります。3万円~5万円程度の費用で施工会社さんに地鎮祭一式をお願い頼むことが多いかなぁ。
近年では、上棟式は簡略化される傾向で現場監督や大工さんなどの職人に謝礼をお渡しする程度で済まされる方も多く見られます。
昔のように仕出しをとってお酒を振る舞い、餅撒きなんてまず無いなぁ・・・田舎の方ではまだあるのでしょうかね?

  

〈竣工後に係る費用〉

不動産取得税

土地や家屋を購入したり、家屋を建築するなどして不動産を取得したときに、有償・無償の別、登記の有無にかかわらず1回だけ都道府県が課税する地方税です。ただし、相続により取得した場合には課税されません。
およそ取得半年~1年後に各都道府県から「納税通知書」が届き、金融機関で納付します。

通常、課税標準額×税率で算出され、税率は本則4%ですが、土地及び住宅については平成27年3月31日までは3%に軽減されています。
新築住宅全般(認定長期優良住宅含む)及びその敷地に関しては、一定の要件を満たせば更に特例の軽減措置があります。
詳細については、都税または県税事務所や各自治体の税務課などでご確認ください。

「新築住宅の課税標準の特例」

建物の固定資産税評価額から1,200万円が控除されます。
(「長期優良住宅」の場合は控除額1,300万円となります。平成28年3月31日まで。)

一定の適用条件※を満たしている新築住宅の固定資産税評価額を建築費2,500万円の60%(1,500万円)と想定した場合の税額は、
(1,500万円 - 1,200万円) × 3% = 90,000円 となります。
※<適用要件>床面積が50m2以上、240m2以下(特例適用住宅)。適用期限:平成28年3月31日まで。

固定資産税

固定資産税は、毎年1月1日現在に不動産を所有している者が納税義務者となり、市区町村に納める地方税です。毎年5月上旬に納税通知書が送付されてきますが、年4回に分けて納税します。
固定資産税=固定資産税評価額×税率(標準税率1.4%)
新築住宅(認定長期優良住宅含む)・耐震改修・バリアフリー改修・省エネ改修については、一定の減額措置があります。

都市計画税

都市計画税は都市計画法による市街化区域内に所在する土地と建物が課税対象となり、通常固定資産税と合せて徴収されます。
都市計画税=固定資産税評価額×制限税率(0.3%)←上限の税率こと
※住宅用地や新築住宅に対する税額軽減特例が自治体によって用意されている場合があります。
※実際に適用される税率は市町村ごとに異なりますので、それぞれ確認が必要です。

その他

その他に新築住宅の場合、下記のような費用も必要となります。

引越し費用
カーテン・什器購入費
近隣挨拶費用

引越し費用については、建て替えの場合は仮住まいへの転出分も必要ですので竣工後の入居分と合わせて計2回分の引越し費用を見込んでおく必要があります。
カーテン・什器購入費は、主にカーテンやブラインドの費用(設置費も)やダイニングテーブル、椅子、ソファなどの家具購入費です。
カーテン関係は、窓の数量やサイズにも因りますが一からすべて整えると結構費用がかかります。

「固定資産税評価額」

登記にかかる登録免許税や不動産取得税、固定資産税、都市計画税などの建物にかかる各種税金の算出の基になるのは、「固定資産税評価額(課税標準額)」ということがよくわかります。

では、これまで評価の無い新築の住宅の「固定資産税評価額」は、どのように決められてるのか?

まず登記に係る「登録免許税」に関しては、建物の構造別・用途別に各法務局が便宜上作成している価格「新築建物価格認定基準表」によって課税標準額が算定されています。
例えば、東京都ですと 平成25年度 居宅-木造:86,000円/㎡に設定されており、延べ床面積が120㎡(約36坪)の場合では、
120㎡ × 86,000円 = 10,320,000円 となり、約1,000万円程度の課税標準額として登録免許税の算出がされます。

そして不動産所得税、固定資産税、都市計画税については、
家屋の固定資産税評価額 = 再建築価格 × 経年減点補正率 という算定式で求められます。

「再建築価格(または再建築費)」というのは、実地調査を行った上で、評価対象の家屋と同一のものを評価の時点においてその場所に、再度新築するとした場合に必要な建築費であり、実際に支払った建築工事費ではありません。
つまり簡単にいえば、お寿司のように「時価」でおいくら?という評価及び算定をして、その価格に老朽化等による償却や建設物価の変動を考慮して価格が決定されています。
新築住宅の当初の場合の固定資産税評価額は、一般的には建設工事費の50%~60%程度のようです。
しかし算定の基になる「固定資産評価基準」では、「経年減点補正率」が1年経過後で0.80と設定されているので、実際に竣工後(1年経って)最初に支払う固定資産評価額は、竣工時の評価額の80%ということになるようです。